ちょうど、今年に入って、「素材」が気になっている。コットン、ウール、ポリエステル…。それらはそんな簡単な区分けだけでなく、まだまだ掘りようがあるようで。
そこで今回、これから広まっていくかもしれない新素材と、容器包装リサイクル法(容リ法)という、知っている人は知っている、知らない人は知らない法律について調べました。本記事では容リ法の概要説明は飛ばし、ややこしくて勘違いしそうなポイントを中心に取り上げます。
自分は小規模事業者か?
まず、自分が小規模事業者かについて。容リ法では下記2つで分けられています。
(1)製造業など((2)の商業、サービス業に当てはまらないもの)
(2)商業、サービス業
なぜ分けているのか?それはどうやら、この事業の場合は何人から小規模/中規模/大規模とみなされるというのがあるもよう。(同じ従業員が5人でも、製造業であれば小規模だが、小売店であれば小規模とみなされなくなる)
対応義務が発生する素材

下記はリサイクルして再商品化される必要があります。
- 商品を入れている「容器」および「包装」である
- 商品が消費されたり、商品と分離された場合、不要となる
- 最終的に一般消費者により家庭から排出される
- 素材は以下の4つ
- ガラス製容器(ほうけい酸ガラス製および乳白ガラス製のものを除く)
- PETボトル(食料品(しょうゆ、乳飲料等、その他調味料)、清涼飲料、酒類)を充てんするためのもの)
- 紙製容器包装(段ボールを主とするものとアルミ不使用の飲料容器を除く)
- プラスチック製容器包装(上記のPETボトル以外)
対象になるもの
バイオマスプラスチックでできているレジ袋も、「高分子を必須成分として含み、加工時に流動性を利用して賦形、製品化する材料」であればプラスチックとして対象になります。
複合素材の場合は、「構成している素材の中で、最も重量の重い素材が、該当容器の素材となる。※重量の考え方は、構成している素材の重量を全て加算する。」とのこと。
以下に表で整理しました。
アイテム | 再生化義務 |
バイオ由来プラスチック0.85g 石油由来プラスチック2gのバイオマスプラスチックのレジ袋 | 対象 |
海洋性分解性プラスチック100%のレジ袋 | 対象 |
アルミ40g、プラスチック60gでできているラミネートチューブ | 対象 |
成形できる炭酸カルシウム「Stone-Sheet®」(島田商事株式会社) | 対象外 |
炭酸カルシウム(石灰石)などの無機物を主原料(重量比50%以上の含有)とし、ポリプロピレンやポリエチレン等の熱可塑性樹脂を配合・混練した、無機フィラー(填料)分散系の複合材料「LIMEX」(株式会社TBM) | 対象外 |
フィラーシート(炭酸カルシウム量 50%以上)で成型したトレイ | 対象外(炭酸カルシウム製容器であり、プラスチック製以外の容器包装となり、対象外) |
日本規格協会が主要な構成素材(構成する素材のうち、質量分率が最大の素材)が一種類の無機物であり、無機物の総量が質量分率で50 %を超える材料について規定している「無機物を主成分とする無機・有機複合マテリアル(JSA-S1008)」というものがあるので、この規格を取っている製品を利用すれば、対象か対象外かを判断しやすくなります。
ちなみに、「LIMEX」については、他社が検査機関で成分分析を行ったところ、石灰石が最大成分ではなかったという記事が出たようですが、その後TBM社は改めて第三者の検査機関による成分分析結果を報告し、「LIMEX について、当社ホームページ等において、炭酸カルシウムなどの無機物を50%以上含む複合材料である旨定義しておりますが、今回の第三者による計測においても、LIMEX が当社の定義どおり製造されていることが改めて確認出来ました」と掲載しています。
バイオ由来はメリットがあるが、それでもプラスチック
今回いろいろと調べて分かったこと。
- バイオプラスチックは、バイオプラスチックは植物は光合成で大気中のCO₂を吸収しているため、純増させる石油由来よりCO₂排出量が少ない(植物が吸収したCO₂を戻すだけのカーボンニュートラルと評価される)。
- ただし、バイオマスがその前にCO₂を吸収して育っているということを加味しない場合、製造・廃棄時のCO₂排出量は石油と大差はない。
- バイオポリエチレン(Bio-PE)のように、分解スピードが石油由来PEとほぼ同じか、場合によっては遅いものもある。
そして、容リ法に関して言うと、バイオ由来だろうが石油由来だろうが「プラスチック」として括られます。
容リ法はそもそも、資源価値が低く、市町村が分別収集してもお金を支払わないとリサイクルできない逆有償(=放っておくと誰もリサイクルしない)状態だったプラスチックなどを、事業者に義務を課して再利用していこうという制度なのですね。
まとめ
ベンチャー企業を中心に新素材の開発が進められているようです。すでにオンラインで新素材シャツなどを販売しているところもあるようで、やはり値段は高いのですが、試してみたいです。